謎の多い、コムデギャルソンについて
ギャルソンって、実は「名前だけは知っている」位の人が多い。
一部のファン・信者はとことん好きで、買い物はほぼギャルソンの各ライン回って済ませるみたいな人も多いんですけど、そういう一部の人以外には、どんなラインがあって、それぞれがどういうものなのかって、あまり知られていないように思います。
…わざわざ聞きにくいことですしね。
店の雰囲気も独特だし、正直、入ってぶらりと見るにも敷居が高い店だとも思います。
ということで、ギャルソンについて、ゆるーく個人的に解説したいと思います。
個人的な目線でざっくりいきますので、信者の人は怒らないで頂きたいのと、イメージの違いはお許しください。
ブランドゆる解説は、過去にはこんなものが。
参考記事:「マルタンマルジェラ超ざっくり解説」
ボスは、川久保玲さんです
コム・デ・ギャルソンを作った人は、川久保玲という女性の方です。
今も現役でデザインを手がけています。
株式会社コムデギャルソンの社長でもあります。
日本人デザイナーの代表といえば、川久保玲と山本耀司(Y’s)でしょう。
この2人の名前は、世界中のおしゃれ野郎が知っているといっても過言ではないので、覚えておいて損はありません。
ちなみに、わかりにくいと評判の謎の公式サイトはこちら。
http://www.comme-des-garcons.com/
コムデギャルソンにはラインがたくさんあるよ!
ギャルソンの歴史に関しては、ウィキペディアで確認して貰うとして、問題は「ライン」だと思います。
コムデギャルソンにも色々ラインがあって、出来たり無くなったりもしています。
多くの人が知りたいのは、このラインとおおまかな特徴や価格帯だと思うので、そこをざっくりいきたいと思います。
洋服を作っている主なラインを12、個人的な解説と共にご紹介します。
ちなみに、ウィキペディアは一部情報が古いままというか、ラインや担当デザイナーについての記述が一部足りなかったり、間違ったところがありました。私が言うのもなんですが、参考程度にしておいた方が良いと思います。
…とはいえ、こちらも参考程度で。
COMME des GARÇONS(レディース)
デザイナー:川久保玲
ギャルソン内のトップといっていいブランドです。
最も高価で、最も個性的、コムデギャルソン本ラインです。
COMME des GARÇONS HOMME(メンズ)
デザイナー:渡辺淳弥
通称「オム」
ギャルソン界のメンズの中ではトップと思いきや、パリコレには出していないはず。
メンズの中では一番落ち着いたデザインが多く、大人(おじさま)向けだと私は認識しています。
COMME des GARÇONS HOMME PLUS(メンズ)
デザイナー:川久保玲
通称「プリュス」
ギャルソンのメンズラインの中では、最も個性的なラインだと思います。
とんでもないものがあるエリアは、大体プリュス。
個性的ゆえに、ファッションハイ状態の奇特な若者からも熱い支持を得る最も気分的にもハイなライン。
COMME des GARÇONS SHIRTS(基本メンズ)
デザイナー:川久保玲
通称「シャツ」
名前にシャツと付いていますが、シャツ以外のアイテムも展開しています。
プリュスが「奇抜」なら、シャツは「ひねり」とでも言うのでしょうか。それでも川久保さんが手がけるメンズの中では着やすい方だと思います。(下の写真はかなり華やかですが)
※「海外生産のシャツ類は値段は全く着やすくない」と補足してください!と希望がありました。
一部アイテムは、ジュンヤやプリュスよりも高い!とのことなので、値札チェックを。
ただ、海外(確かフランス)生産の高価なシャツ類、質は高いと評判です。
2015年春、シャツのレディース版として「コムデギャルソン・ガール」が誕生します。
デザイナーは同じく、川久保玲が務めます。
COMME des GARÇONS COMME des GARÇONS
デザイナー:川久保玲(レディース)
通称「コムコム」
過去にあった「ローブドシャンブル」というラインと合併。
ざっくり言えば、川久保玲が作る「日常的に着やすいギャルソン」。実際に日常生活において取り入れやすい服が多いため、ファンも多いです。
デニムやリネンといった素材を使い、グレーやベージュの色を使うなど、ナチュラルに仕上げた服も多いです。
ギャルソン好きのおしゃれおば様は、コムコムのメイン顧客が多い印象。
COMME des GARÇONS JUNYA WATANABE
デザイナー:渡辺淳弥
通称「ジュンヤ」(レディース)
川久保さんの作るギャルソンとは違う世界観があり、「ジュンヤ派」が存在します。
川久保ギャルソンより、テーマによって服が大きく変わる印象です。シーズンごとに凄くエレガントな時もあれば、フォークだったり、ミリタリーだったり、王道ともいえるモードだったり。
客からすると、シーズンによって当たり外れが大きいラインだと思うの。
COMME des GARÇONS JUNYA WATANABE MAN
デザイナー:渡辺淳弥
通称「ジュンヤマン」
ジュンヤのメンズ。レディースと同じくパッチワークの手法が有名(顔)で、俗に言う「モード」な白黒の世界ではなく、カジュアルな印象のアイテムも多く、ギャルソンのメンズの中でも着やすい服が多いです。「ジュンヤだけ見る」みたいな人は、女性より男性の方が多い気がします。人気も高いです。
さらに、レディースより、シーズンごとの当たり外れの触れ幅も狭い気がする。
eYe COMME des GARÇONS JUNYA WATANABE MAN
デザイナー:渡辺淳弥
通称「アイ」
ジュンヤマンのセカンドライン扱いだけども、別に安くは無い。
ノースフェイスとコラボするなど、ジュンヤ本ライン以上にワーク、ミリタリー、トラッドなどを取り入れ、よりカジュアル寄りな服の印象。ギャルソンの服が別に好きではないカジュアル派の人でも「お!」となる服が見つかる気がするけれど、繰り返すが値段は全くカジュアルではない。
tricot COMME des GARÇONS(レディース)
デザイナー:栗原たお
通称「トリコ」
レディースの中では、おそらく最も手にとりやすい価格のアイテムが多い(PLAY、BLACK除く)
最も少女っぽく可愛らしいテイストで、日常的に着やすい服も多い印象。よく「ガーリー」と表現される。
ちなみに、着やすいという点からコムコムと顧客が被りがち。
女性からするとギャルソンの入口になりやすいラインで、単独での百貨店等への出店も多い。
「トリコスペシャル」という、より高価で希少なラインがある。
PLAY COMME des GARÇONS
デザイナー:川久保玲
通称「プレイ」
目の付いたハートマークがトレードマークの、コムデギャルソンの衣類の中では最も値段が安いライン。
顧客やヲタの中には「プレイなどギャルソンではない」「プレイを着るやつはニワカ」という風潮もあるが、プレイの売り上げが株式会社コムデギャルソンを支えているのも事実。
トレードマークのおかげで「ギャルソン着てる!」と一発でわかるため、モテ命のコンサバ男女やギャル勢が「モード系な気分★」の時に着ちゃったりするし、海外の転バイヤーに頻繁に買い占められる。
故に偽物の流通量も非常に多いので、購入の際は気をつけてください。
スニーカー、ポロシャツ、ニット、シャツ、スニーカーとあらゆるアイテムを展開。
PLAY COMME des GARCONS(プレイ コムデギャルソン) フロントブラックハートTee(MENS) メンズ |
BLACK COMME des GARÇONS
通称「ブラック」
当初は期間限定で展開される予定のラインでしたが、継続になりました。
黒がメインの展開で、基本店内は黒か白。
発足当初から「値段を抑えて主に若者向けに提供する、わかりやすいギャルソンの服」みたいなラインで、それは今も変わっていないと思う。実質、セカンドライン的存在と認識する者も多い。
黒のサルエルパンツ、燕尾ジャケットなど、象徴的でわかりやすい服が多く、値段もギャルソンの中では安いので若い顧客が多い。
GANRYU
デザイナー:丸龍文人
通称「ガンリュウ」(そのまま)
ブランド名にコムデギャルソンは付かないが、一派である。
ギャルソンらしさはあるが、ジュンヤとはまた違う独特のカジュアルさ(スポーティさ?)と個性を持つラインで、実生活に取り入れやすい服が多いと感じる。GANRYUも「モード」が好みじゃない人もイケる服が多く、値段もギャルソンの中では手に取りやすい価格帯のため、若者からも支持を得ている。
個人的には、一番、流行的なものを取り入れるような気がしている。
2014AWよりレディースをスタート。デザイナーは同じく丸龍文人。
いかがでしたでしょうか
これだけわかれば、十分なんじゃないか…と思います。
洋服の特徴に関しては、言葉では伝えにくくアバウトな表現になってしまいましたが、なんとなく伝わりましたでしょうか。
対象の年齢層でいえば、メンズだとオムが一番高く、ブラックが一番低いでしょうか。
レディースだと、ギャルソンもしくはコムコムが一番高く、トリコが一番低くなる気が。
価格は、対象年齢にほぼ比例しているかなあ…シーズンにもよりますが。(PLAYは除きます)
どこから見に行くのが良いかといわれれば、20代中盤くらいまでで「白黒のモード」が見たいなら、BLACK。
アラサーならば、男性はジュンヤでしょうか。
女性で可愛らしさを求めるならトリコ、格好良さや強さを求めるならジュンヤを推します。
人気に関しては、非常に難しい問題です。地域によっても違うようです。
メンズに関しては総合的にジュンヤが一番人気な気がしますが、いかがでしょう。
ただ売れている「数」だけ見れば、PLAYがぶっちぎりだとは思います。海外に流れている量も相当多いですが。
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私は、先日の買い物日記にも記した通り、いまギャルソンに凝っているので(回帰
その勢いで、ギャルソンについて若輩者ですが生意気にも解説してみました。
私は昔から、トリコが一番好きです…というか栗原たおさんが好きです。
参考記事:「【定期】個人的買い物を報告 2014初冬編」
参考になれば、幸いです!
N
あー……ドゥがないような
オムのデザインは今やジュンヤマンのセカンドライン状態ですね
SHIRTは値段が全然着やすくないことだけは補足していただけないでしょうか
SHIRTニット類は国内生産なので普通のギャルソン価格ですが、
海外生産のブラウスは35000~90000くらいです……プリュスやジュンヤマンより高い……
chanboo(管理人)
すいません、ドゥは存在に気付きながらも外してしまいました…。
SHIRTの値段の件、補足しておきました。
下に値段と気やすさは基本的に比例すると書いてしまいましたから、SHIRT=値段が安いほうだと思う方がいると申し訳ないですもんね。
ご指摘ありがとうございました。
SHIRTのシャツは高価ですが、質も良く素敵ですよね。
凝れば凝るほど値段もガンガン上がって、手も届かなくなるのですが…笑
ササミカレー
非常に分かりやすい解説ありがとうございます。ギャルソンはラインが多すぎて、意味が分からなくて敬遠していました(笑)
背も低いので、ギャルソンはサイズないだろうなーと思ってました、BLACKなんかは若者向けだけあってタイトな服が多いですね。
chanboo(管理人)
お役に立てたようで光栄です…。
ギャルソンって、敷居高いですよね。まず、なんだか入りにくいですしね 笑
サイズは大丈夫だと思いますよ!
身長150cm台前半の私でも、ジュンヤマンのデニムXS~Sでロールアップでなんとかなる位ですから。
でかい!ものから、ほっそ!なものまで、ラインやアイテムによって様々ですが、背の低い男性顧客さんの姿も沢山見るので、おそらく大丈夫だと思いますよ 笑
WD
昔の<ローブドシャンブル>が今は<コムコム>なのですか…知らなかった。
6年位前に<プレイ>のカーディガンを買って以来(結構前ですね)、ギャルソン系のものは買っていないのですが、買わなくても毎シーズン気にはなります。
画像の<ガンリュウ>のボーダー、いいですね。
<プリュス>の雰囲気は昔から好きです。ジュンヤさんは、ワークっぽくて男臭い泥臭い?感じが自分には少し合わせにくい気がします(<プリュス>ならよく似合うと思ってはいないですが)。
<プリュス>も昔(20年位前)とくらべると、肩幅の小さい服も増えて(ファッション界全体の流れだとは思いますが)、自分としては嬉しいです。
<プリュス>は、普通の形のものも意外に?いいように思います。神戸大丸の、ギャルソン系のブランドが集まったショップ(わりと広い)で、この秋冬のステンカラーコートを試着したのですが、なかなか良かったです。
以下のURLの動画、御存知でしょうか。だいぶ前に放映された番組のようですが、最近見つけて、観ました。もう亡くなられたデザイナーの方もインタビューに出て来て、時間の流れを感じますが、その中でまだ続いているギャルソンは、やはり凄いのかなと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=xlqwQlx25VI
chanboo(管理人)
ローブドシャンブルをご存知とは!
そうなんです、ローブがコムコムになったんです。私はローブ時代は結構買っていました、シンプルな着やすい服が多くてギャルソンの中では値段も手頃だったので、学生には手が届きやすくて…。
お話を伺う限り、ジュンヤはあまりハマらなさそうですね、余程ジュンヤのレディースや、プリュスのシックなものの方がお好みのものがありそうです。
私も今季プリュスをいくつか試着したのですが、作りが小さくて驚きました。ギャルソンって作りが大きいイメージがあったので。XSやSは、大柄な女性ではキツイのでは…?と感じました。
ガンリュウはカットソーが毎シーズン着やすそうです。
値段も2万円以下で高すぎず、いつも良いなあと思います。
引用した写真は全部2015SSのものなので、よければ来期ぜひ 笑
貼って頂いた動画、未視聴です!
教えて頂いてありがとうございます、時間のある時にぜひ拝見したいと思います!
きゅん
オムがジュンヤのセカンドみたいと言うのは私も正直感じてしまっていたりしました。
田中さんがいた頃は、ジュンヤ、プリュスとはまた違ったギャルソン魅力に満ちあふれていた気がします。当時20代になったばかりの私でも魅力あふれる服ばかりでした。
SHIRTは、当時のイメージは、セレショに下ろすギャルソンと言うイメージありましたよね。ローブは幅広く定番を扱っていた印象がありますが、コムコムになって気持ち艶やかになった気がします。
何だかギャルソンて、ラインの事を触れるのって結構タブーなイメージなので、新鮮で楽しかったです。
元信者ですが、こういう風に見られているんだなぁと感慨深かったです。
プレイがあるからこそ、倒産しないで済んでいると思っているので、もっと売れて欲しいですね、個人的には。
chanboo(管理人)
私は女なのでメンズはそんなにはチェックしないですが、今のオムって影薄いですよね。ジュンヤをマイルドにした印象ですし…。
やはりセカンドラインぽく捉えている男性の方は少なくないのですね。
確かに田中さんがいた頃は、ジュンヤ、プリュス、オムの違いが明確で魅力がわかりやすかった気がします。
ローブ時代は、もっと部屋着みたいでしたね、言葉は悪いですが 笑
SHIRTは確かに地方のセレショなんかに大事に置かれるイメージが今でもあります。
ギャルソンって、タブー感あります。
ブランドと顧客と店員の、秘密共同体みたいな不思議な何か 笑
でも私はギャルソンは良いブランドだと思うので、怖い・入りにくい…のままじゃ勿体無いから、少しでも興味と入る勇気を持って貰えたら嬉しいなあと、ざっくりお伝えしてみました。…怒っている人もいそうですが(怖
プレイとBLACKがギャルソンを救った(経営的な意味で)というお話を聞いて、ギャルソンだって会社だもんなあ…ヨウジも一度倒産したしな…と色々思うところがありました。
私も、もっとプレイ作って売ればいいと思います。BLACKも限定と言いながら「売れるから続けマース!」でよかったと思います。
それはそれ、これはこれですから。