思った以上に意味がある予約会
各ブランド・各ショップにて予約会・受注会なんてものが開催されます。
時期はまちまちですが、東京コレクションブランドなんかだと、コレクションの割とすぐ後に予約会みたいなものが直営店やセレクトショップで行われます。
大体は、洋服のサンプルを使い、数型に絞って行われるかと思います。
今日は、そんな予約会について。
確実に手に入れるため…は割と建前
そのブランドの新しい商品がいち早く見られる!試着できる!確実に手に入れられる!なんつって、ブランドのファンからすると、嬉しい機会のひとつかもしれない、予約会。
誰でも参加できるものだとしても、招待されると、ちょっと特別感もあったりして。
確実に手に入れる為の機会です…なんてのは、事実であるけど建前でもあると思う。
実際に予約完売になったとしても、他店に在庫があれば取り寄せられるわけだし…(ブランドによるけれど)
なんなら、他の取扱店で買ったっていいわけだし。
昔と違って通販だってあるし、予約完売だったはずが「他店から入りました」とかも実際にはよくある。
じゃあなんだ、予約会とは。
販売員だった時に思ったことは。
…お客様の中でもファン・信者の域の人を確認するための、いい機会だなと思いました。
冷静に考えて、何万もする洋服をサンプルだけで事前に予約するって、結構勇気がいることです。
わざわざ時間を作って来てくれるのも、ありがたいこと。
これこそブランドのファンです。明らかに選んで来てくれているファンだ。
ありがたいお客様を知ることができる、いい機会であることは間違いない。
店は大体こんなことを見ている、予約会
予約会・受注会における、店側の都合や狙いは他にもある。
箇条書きにしてみます。
1.客の実際の反応が見たい
2.引きがいいもの・悪いものが知りたい
3.自分の店で反応が良いものを知りたい
1.客の実際の反応が見たい
ショーと展示会でバイヤーや関係者には披露しているけれど、実際に買う人達にはどう映るのか。
最近はメディアの影響力も薄いし、業界人にだけ受けてもお金にはならない。
実際のお客様の反応は、一番気になります。
売れなきゃ意味がないからね!
反応次第で追加生産を決めたり、色違いを作ったりもするわけです。
逆に手直しを入れたり、生産中止にするものもあったりします。
2.引きがいいもの・悪いものが知りたい
1.と被りますが、評判がいいか悪いかだけでなく、商品別の人気が知りたい。
ずらっと並ぶサンプルの中、どれにお客様が反応するのか。
逆にスルーされて話題にもならないのは、どれなのか。
実際に予約には繋がらないけど、褒められたり、試着が多かった物もある。
それは何故、予約には繋がらなかったのか?
「いいね」止まりだった服も、店員はカウントし、理由も探っているはずです。
3.自分の店で反応が良いものを知りたい
店によって、売れる物には違いがあります。
大阪店では即予約枠終了だったものが、東京では予約ゼロなんてのも、よくあること。
商売をするうえで、店ごとのニーズは当然掴んでおきたいものです。
人気不人気が予約会の段階でわかっていれば、実際の入荷前に入荷数の調整ができ、売り逃しも少なくなります。
自店の、少なくとも顧客の動向を知るための、いい機会です。
意見をブランドに伝える良い機会なのが予約会
予約会、店にとっていいことばかりじゃねーか!
…ここまでだとそう受け取られても仕方がありません。
が、しかし!「お客様の声が欲しい!」というのが予約会ですから、お客様的に良いこともあります。
実際のシーズンに入る前、なんなら工場に発注する前ならばこそ!
意見がブランドやデザイナーに伝わるうえ、反映されやすい機会でもあるのです。
感想や希望を、どんどん店員に伝えるといいと思います。
「これ格好良い!」とかだけじゃなく、マイナス点でもいいのです。
これはちょっと丈が短くて着辛いとか、あれは袖がもう少し長ければ…とか。
合わせやすいインナーがあればいいなあ、とかも。黄色があれば…とかね。
価格設定のことでもいいし、サイズのことでもいいです。
とにかくブランドとしては、何でも反応が欲しいはずです。
同じ意見が多かったり、ピン!と来られたら、実際に反映されます(ほんと)
日本のブランドだと、色どころか型自体が増えたりとか、あるあるですよ。
てきとーに店員と喋ってたヤツが、ある!!!とか、ある。
「これ長袖だったら欲しかったけどなあ」とか言ってたら、長袖出来てるじゃん!みたいな。
私自身、こういうケースを目の当たりにし、意外に繋がっているんだな…世界って…そう思いました。
自分の意見を、ブランド側に伝える良い機会です。
Twitterなんぞで不特定多数に感想を伝えるより、予約会・受注会で直接店員に伝えたほうが、よほど効果的だと私は思います。
セレクトショップでも、顧客の反応はブランド側に伝わりますよ。
バイヤーには間違いなく届くと思います。
こういうことがあるから、シーズンが到来するのが、より楽しみにもなるのです。
受注会の時にはあったアレとコレが無くなってる…相当人気なかったのかな?…とか、そういう邪推をする楽しみもできるぜ…
他に、受注するとノベルティが貰えたりだとか、わかりやすい特典もあったりします。
とにかく、好きなブランドならば、参加する意味は大いにあると思いますよ。
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予約会の意味は、必ずしもこれだけじゃないと思いますが…
こんなこともあるよ、程度に参考にしてください。
予約会、実際に予約をせず「これいいですね」位の感想でも貴重な意見です。
何かを予約しなくても構いません。
気軽に、ふらりと立ち寄ってみてはいかがでしょう?
参考になれば、幸いです!
gyudoon
今年の4月、地元のセレクトショップで開かれたCHRISTIAN DADAの14、15AW受注会に行きました。
僕自身はファンでもなんでもなかったのですがパリコレに進出すると聞いてたのでどんな服なんだろうとワクワクしながら見に行きましたねー。
色々な要素が重なってついつい予約しすぎてしまったことは大きな反省です……(笑)
受注会がそんなふうにお店やブランド側と繋がってるとは面白いです。実際人気のある服は皆が試着しすぎててシワになってるのですぐわかりましたw
chanboo
予約会って、テンション上がるし、その場で支払うわけじゃないし、ついつい予約しすぎちゃうんですよね(笑)
私は気分が変わるので、最近は予約しないようにしてます。
予約会に使うサンプルって基本は1型1つ、それが全国を順番に巡るので、物によっては伸びてたりほつれていたりもして「お疲れさん…」って声を掛けたくなりますね。
予約会の段階であまりに人気がないと製造自体が中止になることもありますし、勝手にサイズ調整かけられて、届いて着てみて(なんか違うんだけど)ってなることもよくあります。
全国での予約数や反応に応じて再生産するかを決めるところは多いですから、予約が入りすぎると逆に追加生産からの再入荷があったりもしますが…
予約会に行ったら、失礼じゃない程度に感想を伝えると、割と伝わりますよ!