コーディネートしてみよう!
前回の【初級編】にて、何にでも合わせやすい基本色を考えたりしました。
今日は、さらに色の組み合わせについてを考えてみます。
今回も長いですが、お付き合いください。
色合わせは、理屈でなんとかなる
ところで、”デザイナー”って呼ばれる職業って、センスで配色などを考えていると思われがちなのですが。
デザインするジャンルによりますが、Webや誌面なんかは、色などに最低限のルールや鉄則的な決まり事が結構あって、それに従って考えていく感覚です。
職業デザイナーは、センスだけではなかなかやっていけません。
きちんと色の基礎や知識がないと、ほぼ行き詰まります。
つまり、おしゃれな色合わせは、方法やルールさえわかっていれば組めるってことです。
自分にはセンスが無い…なんて頭から諦めることなかれ!
色を上手く着るには、無彩色がキー
前回書いた通り、無彩色といわれる色ならば、彩色と合うはずです。
彩が無なので、基本的に合わない色は無いんです。
赤、青、緑、黄、ピンク、紫…
主張が強い色ほど相性を考えてしまいますが、そんな時は無彩色を合わせれば間違いないはず。
上の図が、おなじみ無彩色。
上の図でいう両端、白・黒といった無彩色の中でもハッキリした色ほど強い印象になると前回も書きましたが、色と合わせる場合にも、色の印象を左右します。
色の印象を強くしたり、和らげたり。
どのような合わせ方が彩色を引き立てるかといえば…
基本的に、色の明度が違えば違うほど、彩色を目立たせ、引き立たせる効果が期待できます。
合わせる色を変に目立たせること無く、まとめたい場合…
色の明度を近くすれば、色同士がなじみ、色の主張を抑えられます。
無彩色同士でも、黒と白を合わせると、お互いに目立ちますね。
でも、グレーと白を合わせると、印象がソフトに感じると思います。
これは明度の差がキーです。
2回目の登場、色の要素の図。
水色やライトピンクは、明度が高い(明るい)です。
だから、白と合わせると馴染みますが、黒と合わせると色が目立ちます。
ボルドーやネイビーは、明度が低い(暗い)です。
だから、白と合わせると目立ちますが、黒と合わせると全体に馴染みます。
どう見せたいかで、合わせる無彩色を選びましょう。
後ほど、実例を元に検証します。
基本公式:無彩色×2+彩色
コーディネートする際、基本は3色組みから考えるのがいいと思います。
(上手な2色組みは意外に難しいと思います。)
まず間違いないのは、無彩色×2+彩色、という組み方。
グレー+白+青。公式通り。
どんな時にも、無彩色×2+彩色、というルールで着ると大抵上手くまとまります。
強めにしたいなら、白+黒+彩色。
柔らかくしたいなら、グレー+白+彩色…など。
彩色が一色なら、ガチ喧嘩する相手が基本的にいません。
グレーを入れれば白と黒も中和してくれるので、安心な選択です。
色の美しさを際立たせたい、色の発色を濁らせたくない時には、白を合わせることをオススメします。
白+グレー+明るい青。
グレーベースで、白と青が引き立てあっています。
無彩色たちに、彩色ピンクを一点投入。
色同士が際立っています。
実例を見てみよう
コーディネイトではなくアイテムで、実例を見てみましょう。
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上は、無彩色二色の組み合わせ。
明度が近い無彩色同士を組み合わせているので、まとまっています。
無彩色しか使っていないうえ、あいまい色のグレーがメインカラーなので、この服は非常に合わせやすいと思いますよ。
彩色を目立たせすぎることなく、自然に合わせられるのは、グレー。
応用公式:無彩色+彩色×2
無彩色を1色に減らし、色を2つにしてみます。
この場合、無彩色は色同士を緩衝させる効果が狙いになってくる役割が多いかもしれません。
色が増えてくると、前回お話した”トーン”がキーになってきます。
青とピンクなど、全く違う色を合わせたい場合には、トーンを確認しましょう。
例えば、青がクリアーな発色なのに、ピンクが淀んだような深い色だと、相性はあまりよくないと思います。
もし、青に合わせてピンクもクリアーな発色ならば、相性は良くなるはず。
この辺の感覚は、トーンが合っているかなんです。
色同士、トーンを合わせれば相性は良いっちゃ良いんですが、色同士をぶつけると、どうしても”くどい”と感じがち。
…そこで無彩色ですよ!
色同士の喧嘩や渋滞を中和しつつ、色の魅力を引き立てます。
しつこいなあ…と感じたり、色を際立たせたいなら、無彩色を入れましょう。
トップスが彩色×2、パンツが無彩色
トップスとアウターが彩色、パンツが無彩色
緑を数種と、無彩色でまとめてます。
これ、靴がパンツと同じ柄ではなく、他の色だったら…?
靴の色を黒、白、茶など、想像してみてください。
ツボを抑えて、公式を応用しよう
2つの公式を挙げましたが、どんどん応用しましょう。
無彩色×2+彩色×2、でもいいし、無彩色×3+彩色、などなど。
最適な無彩色を1色入れれば、彩色のトーンバランスさえ狂わなければ、変なことにならないと思います。
ツボさえしっかり抑えれば、大丈夫!
・色と色を合わせるときは、”トーン”を意識する
・色同士のトーンが合っていても”くどい”時は、無彩色で中和
・色を際立てたいのか・まとめたいのかで、使う無彩色を考える
・彩色の明度で、無彩色の相性が変わる
・色の発色の良さを主役にしたいなら白を第一候補に(黒が良い場合も)
・白と黒は無彩色の中でも強く、グレーは優しい
まとめると、この辺りでしょうか。
無彩色を上手く使えば、色の組み合わせは自由自在といっても過言じゃありません。
次回は上級編に突入しますよ
考え方みたいなものは、今回までで十分な気がしています。
次回、より実例を示しながら、考えてみたいと思います。
柄を使う時や、色だけでまとめる場合などなど、予定しています。
ここまでの内容を読んで頂いて…
ぜひ、勝手に世の皆様のファッションチェックをしてみて頂きたい。
今回は色の話だけなので…
色合わせのみに関して、ファッションの系統を選ばずに分析してみてください。
コレクションルック、ファッションスナップ、その辺の人でも、なんでも。
無彩色は入っているか、色がどんな役割を果たしているか。
全身で何色使っているか、一番目立つのは何色で何故か、などなど。
もしオシャレだな!と思ったら、そこで終わらず、勝因を考えてみましょう。
イマイチだなあと思ったら、原因に加えて、解決策も考えてみてください。
感想で終わらずに、そう感じた根拠をいちいち考えてみると…
自分の色の好みの傾向が浮き上がってきたり、自分が良いと思う色合わせの法則が見えてくるかもしれません。
そのうち、上級編をお届けします!
気長にお待ち下さい!
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