【トラウマ】私が福袋を死ぬまで買わないと決めた話

お年玉を握り締め、並んだ新年

私は福袋が嫌いです。
洋服の福袋に関しては、死ぬまで買うことはないと思います。

福袋は確かにお得に感じます。
例えば、1万円の福袋に「5万円相当の商品が入っています!」などと書かれている。
憧れのブランドをお得に入手する大チャンスと思われて当然です。

私も、福袋の存在を有難がり、張り切って買いに行ったことがあります。
中学一年生の新年のことです。

人生で最初で最後の、福袋をたくさん買った話。

福袋を二度と買わないと心に決め、20年近く考えを変えさせない程の出来事。
おしゃれに目覚めはじめた、13才の女の子を襲った悲劇の話をお聞きください…。
(今回はネタ話回です)

福袋は今より特別な存在だった

福袋のありがたみって、随分薄れたと感じます。
予約ができたり、ネットでも買えたりするし。冬だけじゃなく夏にも出したり、中身がわかったりもする。
ネットで色々な情報が収集できるようになって、福袋に対する幻想も薄れたと感じる。

約20年前にも、福袋はありました。
今ほど情報もない時代だったし、セールでも今ほど値下げもされない時代だったから、福袋のお得イメージは飛び抜けていたし、特別な存在だった。
福袋=一番お得な買い物、そう思う人は多かったと思うし、少なくとも、当時中学生の私と友達はそう思っていた。

二学期の期末テストが終わり、私はおしゃれ友達のRちゃんと毎日のように新年のセールと福袋の話をしていた。
どこの店から並ぶか、効率よく入手するにはどうすればいいか?
お互いに予算はいくらくらい用意できそうか、買い物には何を着ていくかなど、テストの結果そっちのけで盛り上がっていた。

当時、ヒステリックグラマーやMILK、スーパーラヴァーズといったブランドが流行していて、私達はその辺のブランド狙いだった。
色々と話し合った結果、最も高価で憧れのブランドであるヒステリックグラマー第一優先で行こう!という話になった。

PHS、ポケベルが子供にまで普及する少し前の時代だったため、家の電話で連絡をとるのが基本。
1月2日、朝8時とかに駅で待ち合わせたのを覚えている。

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いまでいう、きゃりーぱみゅぱみゅ的存在。

朝から並んで、お年玉を全額投入!

福袋目当てに、もの凄い人がいた。
ちなみに、当時は新年初売り(福袋販売日)とセール開始日は別のことがほとんど。
初売り=福袋目当ての人オンリーという状態。

当時はポケベルやPHSがまだなかったため、人ごみではぐれたら最後だった。
だから分担するという選択肢がなく、まずは一緒にヒステリックグラマーに並んだ。

朝8時から並んだおかげで、無事にゲットした。
計画通り、すぐ近くのスーパーラヴァーズに行き、もう一つゲット。
MILKに行ったら売り切れで肩を落とすも、これは予定通りだ。ヒスを一番に選んだ時点で覚悟していたこと。
次だ、次!!!!

同世代の方なら、懐かしい思いで読んで貰えると思うし、なんとなく私が好きで買いに向かったお店もわかると思う。
他のブランド名とか忘れてしまったけど、5つ福袋を買った。
友達も私も、お年玉を全額投入だ。

ガチガチにテープが貼られた大きなショップ袋には「福袋」とシールが貼ってある。
新年から5つも福を入手したのだ。5万円で30万円分くらいの洋服をゲット!!ウシシ!!と思っていた。

小さな体に大きな荷物。すげー重かった。でも平気!
中身を確認すべく、近くの公園へ移動した。開けた。

無になった、13才のお正月

福袋を選ぶとき、中身は見えない。
重さや、袋を触って感触を確かめるくらいしか、できなかった。

友達は「重いのは嫌だ」と言って、軽いのを選んでいた。
私はコートが欲しかったので、できるだけ重いのを選んだ。
(…嫌な予感がするでしょう…?

ヒステリックグラマーから開けた。

定価が高いだけあり、そんなに数は入っていなかった。
はっきり言って、「こんなもん店で見たことねーぞ!!」みたいな物しか入ってなかった。
最も衝撃的だったのは、無地のエンジ色の工場の作業着みたいな半袖シャツだ。デザインのひねりは一切なく、ワークマンに置いてあっても違和感がないくらいの一品だ。
ちなみに友達の袋には、色違いの紺色の作業着が入っていた。

他、ごっついベルト、くっそタイトなTシャツ、カラフルなホットパンツなどが入っていた。
お互いゴミしか入っていないため、交換もクソもない。

ヒスは憧れのブランドだったため、まあ仕方ないか…ヒス様だしね…と。
まだ4つもあるし!と、まだ元気だった。

スーパーラヴァーズを開けた。
ここは普段から買っていたので、実用的でなければ困る。許せない。

開けたら…中にぎゅうぎゅうにイエティみたいなものが詰まっていた。
取り出したら、純白のフェイクファー(毛足長め)の安っぽいロングコートだった。
こんなのプロレスラーかグラムロッカーしか着ねえよ…!そのうえ、くっそ重い!
友達は爆笑しながら「重いのなんか選ぶからだよ」と言い、自分のものを開けた。
クソださいワッペンが貼ってあるだけのキャミソールが色違いで3枚入っていた。もちろん変な色。

他も、ゴミ。ゴミ。ゴミ。
私も友達も、セレクト商品ぽいピンバッジのセット(同じ)が3つも入っていた。
こんなにいらねーよ!

…他も悲惨なもんだった。
紫ラメのテロっとした長袖シャツとか、メリケンサックとか、犬の首輪みたいなチョーカーとか。
とにかくラッキー!と思う物はひとつもなかったし、ブランドネームでごまかされるようなもんじゃなかった。

13才、新年から、福どころかクソを掴んだんだよ!!
セールを完全に捨て、福袋に賭けた結果がこれだよ!!
13才の5万円って相当大金だよ?本当に絶望した。

さらには、人生で初めての初売り、人生で初めての親以外とのお正月のお出かけ。
これだよ!!

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イエティはみだしながら、帰った

長々と書きましたが、このときの経験が本当にショックで。
とんでもない絶望感を味わったわけです。

福袋に使った5万円があれば、セールで何着も気に入ったものが買えたわけです。
いくら30万円分の服だといっても、着れなきゃただのゴミだと悟った。
ブランドなんか飾りだなと。
本当に本当に後悔して、数日落ち込んで雑煮も食えなかった。

おばあちゃんが、メリケンサックを買い取ってくれた。
もちろん戦うわけではない。書道の文鎮にするって…。
ありがとう、おばあちゃん…

最近の福袋は確かに豪華だけどさ…

最近は福袋の中身も見れたりするし、ネットでレポートも読めたりします。
そういうのを見て、(いまの福袋は消費者に優しいなあ…いいなあ…)と思います。

普通に着られる、いまどきの服が入っているじゃないですか。
私がいま中学生だったら、お年玉を全額投入しても昔みたいに泣くことはなかったんじゃないかなと思います。
中身も見られるし、予約ができれば買いに行く苦労もしなくて済むし。

でも私はそれ以来、二度と洋服の福袋を買わずに生きてきた。

イェティが出てきた時の絶望と、あの荷物の重さを忘れられない。
ついでに、これを機に福袋で失敗したブランドを見るのも嫌になってしまい、お店にも行かなくなってしまった。
それだけショックだったのです。

ヒステリックグラマーがいまもブランドとしてあって、割と人気みたいじゃないですか。
私はヒステリックグラマーを見るたび、中一の冬の福袋のことを思い出すのです。
そしてその度に(福袋二度と買わねえし、ヒステリックグラマーてめえも許さねえ!!)と思うのです…!

…どんだけしつこいんだよ!と思うかもしれないけど。
やはり思春期の時の経験は、人に多大なる影響を与えるんですよ。
まあ、人の3倍くらい多感な少女だったから…。

 

以上、私が福袋が嫌いな理由(昔話)でした。

こんな経験が理由で、福袋を忌み嫌うわけですよ!
私のおしゃれ黒歴史の1ページですな。

参考になるような話ではないですが…
小話として楽しんで頂けたなら、幸いです!

6 Comments

  1. punk

    いつも楽しく勉強させていただいてます。
    私達夫婦も恐らく主様とほぼ同世代かとw

    嫁がヒスとオゾンロックスにハマってローン地獄を味わっていたのを思い出しますww

    • オゾンロックス…!懐かしい…!
      確かオゾンロックスの福袋は買えませんでした。
      他にも色々ブランドあったはずなんですけど、思い出せないんです。
      福袋で大失敗して、一気にこの辺のブランドに見切りをつけたので 笑

      主に30~35才辺りの人なんかに、わかってもらえるんじゃないかなと 笑

  2. WD

    申し訳ないと思いつつ、イエティとメリケンサックで笑ってしまいました。
    福袋、買ったことがないけれど、そんな目に遭ったら、自分もそのブランドをずっと許せなさそうです。

    • 笑って頂けたなら、なによりです 笑
      この福袋事件のお陰で、早くにブランドの意味とかを考えることができたので、よかったかもしれませんが…。
      福袋と言う商品の性質上仕方がないことですが、「騙された!」と感じてしまいました。

  3. eva

    自分は福袋を買うのが好きで、一時期は毎年買っていました。
    最初の出会いは、ヴィアバスの2万円で15万円相当くらいの福袋で、マルティーヌシットボンやジャンコロナ(時代を感じるブランドですよね 笑)の使えるコートやシャツなんかが入っていてハマっちゃいました。
    でも、その後、ヴィアバスでは、パンツばかり何本も入っている謎の福袋や、蛍光グリーンのスーツ(定価20万円)が入っている福袋など、ハズレばかり引いて、さすがにヴィアバスからは身を引きました。パンツだらけ袋はラグタグに全部売ってプラマイゼロになりましたが、スーツはさすがに買取不可で・・・笑
    よくよく考えると、1万円で10万円相当って、セールで見るレベルの割引率なので、セールで買ったほうが効率良いんですよね。そう思ってから、買わなくなりました。今福袋を買うとしたら、伊勢丹の下着福袋くらいですかね。一度、伊勢丹のジャンポールエヴァン福袋を買ってみたいんですけどね~。

    • 一度当たりを引いたら、きっとやめられないですよね、福袋!
      例えは悪いかもしれないですが、ギャンブルと同じで…。
      私は初回でジョーカーばかり引いたので、福袋は1度きりでしたが 笑

      いまはセールの割引率が上がったので、福袋のお得感が薄れましたよね。
      昔はセールでも今みたいに安くはならなかったし、除外品も多く、良い物も残らなかったりで、福袋のお得イメージは突き抜けていたのですが 笑
      いまはセールで十分安くなりますからね。

      食べ物の福袋も地味に争奪戦ですからね!
      ジャンポールエヴァンの福袋は確かに気になります!でも食品の福袋も結構争奪戦なんですよね…。

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