アウターが更に進化して登場
初の展示会レポートです。
何故レポートなぞ、書くかといいますと。
デザイナーさんご本人が、新作アウターを全解説してくれたから!!
いや、本当に申し訳ないよね。
これは、公式サイトにすら掲載のないことで。
ブランドのファンだけじゃなく、服作りに携わる方やアパレルを目指す方にとっても、面白い話だと思いますので…ぜひ読んでいってね!!!
来季の新作の写真と共に、ご堪能ください。
(わ、私のレポートと、予約アイテムの報告も一応ありまーす!)
2016AWテーマ「#3-2 exchange」
ブランドについて3行で。
デザイナーは、トレンチコートと恐竜が大好きな、松崎哲大氏です。
看板商品は「トレンチコート」、トレードマークは「アパトサウルス」です。
「スターウォーズ」と「ジョジョの奇妙な冒険」もお好きなようです(豆知識
詳しくは、ブランド紹介記事をどうぞ!
関連記事:【apato.】不意に着たくなる服、ここにあります
こちらが展示会会場の様子。
洋服のサンプルたちが、ずらり(よくある光景
既に公開されている、2016AWのルックにも使用された洋服たちが、並んでおります。
ルックに使われていないものは、帽子やノーカラーコートなど数型だったかと思います。
「apato.」2016AWルック(公式サイト)
http://apato-tokyo.com/-3-2-exchange.html
感想を一言で表すならば、こうです。
「よりシンプルに、服好きが唸る服になったぞ!!」
…洋服に関するレポートは次章へと続く。
デザイナーによるアウター全型解説
「apato.」といえば、トレンチコートを筆頭としたアウターです。
秋冬と言えば、アウター。
…そうです!「俺(アパト)のターン」状態です!!!
アウターは全4型での展開。
全型、デザイナーの松崎氏にご解説頂きました(俺のターン!
私の出る幕などございませんッ!…と言いたいところですが。
私側で若干文章を整えさせて頂き、補足などにお邪魔をします。
違いが分かるよう、私の文は色が薄くなっております…。
サンプルの写真と共に、ご堪能くださいませ!!
1.6wayコート
名前の通り、6通りの着方が楽しめるコートです。
まず、下見頃の生地を上に折り曲げたり、下ろしたり、内側に折り込む事で6wayの着方ができます。
それに合わせ、表地はMA-1等の表地に使われるナイロンツイルを使い、裏地にフリース生地を使用することで、表地を外側にして着た時と裏を外側にして着た時の印象が、全然違うものになっています。
下身頃は綿のモールスキン生地を使ってるので、表で着たり裏で着たり、下見頃を上げたり下げたりで、3つの生地の見える比率が変わるので、6wayと言っても全然違う着方が可能です。
……blog主より補足……
上の写真が「表側」、下の写真が「裏側」です。
表裏どちらを外側にしても着用可能な、リバーシブルのアウターです。
更に、コートの下身頃(生地の色が違う部分)を上げて留めればショート丈に…下げればミドル丈になるという、様々な着方が楽しめるコートってわけです!!
下見頃に着けたパッチポケットは、上に折り曲げた時にポケットとして使える仕様にしています。
表地側には、顔料のプリントが入っています。
表地を外側にし、下身頃を上で留めて着た時には、下見頃の裏側が表にくるので、パッチポケットのステッチしか見えませんが、下身頃を下ろすことで顔料のプリントが見えるようになっています。
逆に裏地を外側にして着ると、上に折り曲げた時に顔料プリントが見えるようになり、下げるとステッチが見えるようになります。
表地側にはフロントにシームポケットが付いていますが、下見頃を上に折り曲げた時にも使えるよう、下見頃の脇には空きが作ってあります。
そこから手を入れて、下身頃を上に折り曲げた時にも、シームポケットが使えるようにしています。
衿裏にはしっかりとジグザグステッチを、裏衿腰部分にはレールステッチを入れています。
襟も、表裏で着た時に、ガラリと印象な変わるポイントです。
表地には30番手の太番手の糸で3cm間に8〜9針の感覚でステッチを入れています。50番手などの糸を使用するより仕上がりが格好良くなり、洗った時にもパッカリングがいい具合に出てきます。
裏地にはあえてステッチは入れていないので、ここでも表裏で違う服の表情が楽しめると思います。
2.ノーカラーコート
トレンチコートのディテールを削いで作った、16s/sで評判の良かったノーカラーコートの生地をフラノウールに変え、a/w仕様で作ったコートです。
s/sとは違い、中に着込む事を考えサイズ感を見直しました。
ディテールを変えているので、s/sのノーカラーコートとは印象がガラリと変わっています。
見た目の印象より軽く、暖かいコートです。
……blog主より……
メンズでは、ありそうでないデザインのノーカラーコート。
トレンチが持つカッチリとした「制服感」は持ったままに、柔らかい雰囲気の着やすいコートになっています。男性が着ると、かなり新鮮な印象です。
3.ドッキングコート
中綿入りのベストを付けた状態と、外した状態で使い分けることが出来るコートです。
自身がコートの上にベストをよく着る事から、デザインしました。
肩のドットボタン、フロントのボタン、脇のベルトを固定することでベスト部分を装着でき、フロントはドットボタンで留めます。
脇には、ベスト側にベルト、コート側にベルトを留めるバックルが付いています。
横から見ても面白いデザインになっていると思います。
秋口はベルトを外して、シンプルなトレンチコートで。
冬はベルトを付けて…と、長い期間着られるコートになっています。
……blog主より一言……
ベストを外した状態のトレンチコートが、シンプルで凄く良いんです。
肩章もなく、ボタンも小さめでセンター寄りで、スマートな仕上がりです。
トレンチの制服感が苦手と言う人も、これならイケるんじゃ…と思いました。
4.タイロッケンコート
フロントをボタンではなくベルト(タイ)で留める(ロックする)事が名前の由来となっている、トレンチコートの原型と言われている、タイロッケンコートです。
身頃と袖は、今季のコートでは一番ゆったりとしています。
衿、ラペル、裏地にはボアを使用し、袖裏はキルティングを使用することで、スムーズな脱着ができます。尚且つ、かなり暖かいです。
表地はハリのある綿生地を使用、着込んでいくことで、どんどん、その人だけのコートに仕上がっていきます。
……blog主より一言……
デザイナー氏は、グリーンの色味がお気に入りだそうです(小声
ヴィンテージの軍モノアウターみたいな配色で、とても格好良いです!
本当に軽くて暖かい!寒冷地じゃなければ、真冬の本気アウターとしてイケます。
私による「apato.」16AWレポート
ここからはもう一度、私のターン!!!
2016AWのサンプルを見た感想などを、あれこれ。
全体的に、よりシンプルになった印象です。
誰の日常にもスッと入り込めるような服が揃っている、と感じました。
とはいえ、服にはしっかり個性を持たせているのが、ニクイところ。
相変わらず。
細かいところに、いちいち気が利いている。
スウェットトップスの裾を絞らないとか、パンツがしっかりテーパードだとか。洗濯どうすんの?的なところが外せたり、柄部分も外せたり隠せたりとか。
着やすさ、扱いやすさ、体型カバーとか、そういった実用性の部分を、16AWもきっちりと押さえています。
16SS以上に、男性が着やすい服が増えたとも感じました。
アウターばかり注目されがちですが、ウェアが凄く良くなっていると思います。
スウェット類なんか、さりげないけど、形も色もとてもキレイ!
今季の恐竜さんは、こちらになります
今季はどんな形で恐竜が登場するのかなと思いきや。
この柄、恐竜たちの足跡柄なんですって!
しかも3匹(3種類)の足跡で構成されているというのです…!
そう思うと、なんだか一気に愛着が沸きませんか??
この足跡柄が、アウターやパンツ、カットソーなど、様々なアイテムに使われております。
この柄を見つけたら、ぜひ足跡チェックしてみてください。
愛…ロマン…盛り込んできたな…
ほら、着ているモデルさんも微笑んでいますよ(にっこり
個人的イチ推しは新作シャツ!
\やっぱりシャツが好き/
好き好きシャーツかよ!フリッパーズギターかよ!って自分でも思う。
でも、新作のシャツがとても良かったんです。
お腹部分のポケットに注目!
ロング丈は被って着るタイプで、ポケットの中が繋がっています。
ポケット部分には、本体と同じ生地を、向きを変えて付けているのですが…。
方向を変えただけなのに、色や質感が違って見えるんです!ふしぎ!
写真にも、その違いが表れていると思います。生地の面白いところですね!
生地も縫製もしっかり!かなり頑丈かと思われます。
ショート丈シャツは、前開きのデザイン。
ポケット部分は繋がっていませんが、生地の向きは変えて付けています。
私がオーダーしたものはこちらでございます
3点ほど、予約をしました。
・タイロッケンコート(ベージュ)
・ストライプロングシャツ(ネイビー)
・ベスト(ネイビー)
ここにきて、唐突に登場したベスト。
オーバーオールの上半身部分だけ、みたいなベストです。
冬のワンパターンになりがちな着こなしに、一石を投じること間違いなし!!と思い、予約しました。ワンピースやロングスカートと合わせて着る予定です。
(冬、ここにカイロを入れて、ぬくぬくすることを楽しみにしています)
5月、大阪と名古屋で受注会を開催します
5月には、大阪と名古屋で受注会を開催するそうです。
今回紹介したサンプルが並び、試着や受注が可能なイベントとなっております。
どちらも現行シーズンものの取り扱いもございます。
近郊にお住まいの方、ぜひどうぞ!
実際に見て着ることで、良さが伝わるブランドだと思うので…。
私の予約したものを見て(へぇ…)と、ニヤニヤしてくれても構わないぞ!!
心斎橋「ronron nement」 試着会(受注も可)
日程:5/14-16
住所:大阪府大阪市中央区西心斎橋2-8-21やすらぎビル2F
電話番号:06-6212-2712
営業時間:13:00-21:00
大須「fro・nowhere」 受注会(試着も可)
日程:5/20-23
住所:愛知県 名古屋市 中区大須4丁目15-1-1F
営業時間:14:00-20:00
(営業時間が変動する場合があります。事前にTwitterなどで営業情報の確認をオススメします!)
以上になります!
「apato.」2016AWシーズンの展示会レポートでした。
洋服を見るときに、ふと、思うことはありませんか?
「なんでココに切替が…」「なんでここにボタンが…」とか。
私はそういう疑問を、お店で店員さんにいちいち聞きます(面倒な客だよ!
今回、デザイナーご本人と話せたので、服を見て湧き上がった疑問を直接投げました。
全てに理由や設定があり、納得できる答えがちゃんと返ってきて、逆に驚きました。
「特に理由はないです…」とか「流行ってるんで…」的なガッカリ回答(失礼)をする作り手も多い中ッ!このデザイナー、即座にきっちり返球してきやがったッ!!
(こ、このデザイナーには、覚悟があるッ!)と、心ではフーゴばりに敬意を表していた私なのでした。
「apato.」公式サイト
http://apato-tokyo.com/
5月に大阪と名古屋で、展示会・試着会が行われます。
このGWには、広島「Zalife」でトランクショーを開催します。
近郊にお住まいの方、よければチェックしてみてください!
参考になれば、幸いです!
WD
服に限らず、車、建築、アニメ等、デザインについての紹介文や説明文を読むのは楽しいです。デザイナー御本人の解説があるのはいいと思います。
リバーシブル、ドッキング…こういうギミックには惹かれます。
1枚目の画像の、ベルトが垂れ下がってたなびいている感じがいいですね。
ノーカラーコートは着てみたいです。痩せている自分には似合いそう…と勝手に思ってしまいます(苦笑)。濃い方の色は黒?紺?
こういう路線のデザインは、新しいアイディアを出して行くのが大変そう。でもこの路線で続けてほしいです。
東京か、あるいは関西(帰省の時にでも)に置いてあるお店があれば、是非見に行きたくなりました。
chanboo(管理人)
このノーカラーコートは濃紺でした。
シンプルで上品な印象のコートなんですが、制服っぽさは残っているので、凛々しさみたいなものはあるんです。
お値段は5万円しなかったと思います。
これは痩せ型/なで肩の男性のほうが似合うと思いますよ!
デザイナーさんに解説頂けて、非常にありがたかったです。
真剣に色々なことを考えて作っていて、デザイナーさんは年下ですが(偉いなあ)と私は感心しました…。
今後もっと取扱店が増えるといいなあと思っています。
ymst
めちゃくちゃ面白かったです!
内容が濃い展示会レポ、ガチすぎる。
そりゃ雑誌売れなくなるよと思ってしまいました。お手上げです。
洋服の糸ひとつにも理由があったりすると思うと、洋服を選ぶ時にもっと色々気にしたいし、そういうところに気づけるようになりたいとも思いました。
主様の客観的な感想や意見もわかりやすいです。
結構前ですが伊勢丹新宿店が改装した時等にもレポを書いていましたよね。
僕は主様のレポがとても好きなので、レポート系記事もよければ今後お願いします!
chanboo(管理人)
そんなに褒めても何も出ませんよ!!(菓子折
私はセールスの人間だったので、展示会ではそういう目線で見てしまうんです。
デザイナーからの直接の説明や解説というのは、非常に新鮮でした。
レポート楽しんで頂けていますか?
じゃあニュウマンとか大名古屋ビルヂングとか、色々レポートすればよかったです。
また何か機会があれば、お届けしたいと思います!
ありがとうございます!